企業概要
中小製造業などへ電力料金削減や電子ブレーカー等の販売、一般家庭への太陽光発電、蓄電システムの販売、電力小売など電力に関する幅広い事業を展開している企業。
電力小売が売上高の約5割ほどを占めている。
2016年の電力小売の全面自由化に伴い、電力の小売・取次は、電力会社や複数の小売電気事業者から割安な電力を購入することが可能になった。
しかし、毎回安価に電力を手に入れれるわけではないので、小売電力事業は利益にムラがある。
とはいえ、コロナな小売電力事業には追い風になった。
エネルギーコストソリューションは絶賛拡大中で、コロナによる影響は軽微。
業務内容
エネルギーコストソリューション事業、スマートハウスプロジェクト事業、小売電力事業の3つを手掛ける。
エネルギーコストソリューション事業
GRコンサルティング
法人向けの電力コストコンサルティングを提供。
電力の供給~保安管理~電気料金削減へのアフターフォローまで、電力に関する一貫したサービスとサポート体制を実現している。
の契約実績は45,000社で現在も、拡大中。
電子ブレーカー、LED証明、防犯カメラ等を取り扱う。
グリムスパワー
低圧電力・高圧電力どちらの需要家にも合わせたプランを用意。
電力小売の完全自由化に伴い、電力会社や料金メニューを自由に選べるようになった。
低電力ご利用の方には、電気料金の基本料金・従量料金を削減したプランを用意。
高電力ご利用の方には、電気料金削減の為、「電力のコーディネイト」「省エネコンサルティング」の2つのサービスで企業の省エネルギー化をバックアップ。
電力のコーディネイトでは電力会社や複数の小売電気事業者から最適な電力の取次を行う。
省エネコンサルティングでは省エネ対策を提案・提供まで行う。
スマートハウスプロジェクト事業
グリムスソーラー
太陽光発電や蓄電池の販売を中心に、電力買取など幅広く活動。
FIT買取期間が満了により、電力を自家消費するか、同じ電力会社や別の電力会社と買取契約を結ぶ必要がある。
自家消費する方向けに、余剰電力を貯めることができる蓄電池の需要が拡大している。
FITとは住宅用太陽光発電設備を設置しているユーザーに対し、太陽光発電で作られた電力のうち、余剰電力を電力会社などの事業者が一定価格で一定期間買い取るという国が定める制度のこと。
小売電力事業
グリムスパワー
エネルギーコストソリューションで書いたとおり、電力の取次・エネルギーマネジメントシステムならびにLED照明及び各種省エネ設備の販売を行っている。
それと同時に、低圧電力・高圧電力の全ての需要家へ最適な電力を提供。
電力の仕入れ値は変動するため、利益率にムラあり。
業績推移
6期連続で増収増益と堅調に成長している。
来季も増収増益予定だが、電力の仕入れ値の高騰リスクを織り込んでいると言っていたため、コロナの長引き仕入れ値が安価で済めば、上方修正もあると考えられる。
とはいえ、第1四半期決算で進捗率が44.1%と予定よりも進んでいるため、このままいけば上方修正の発表はありそうだ。
チャート
赤:20日 紫:50日 ピンク:150日 緑:200日
4本の移動平均線は上向き。
日経平均よりも上昇率が高く、上昇トレンドを継続中。
財務
・流動比率:292.81% (200%以上が理想)
・当座比率:268.30%(100%以上が理想)
・固定比率:38.51%(100%以下が理想)
・固定長期適合率:33.86%(100%以下が望ましい)
・自己資本比率:65.42%(50%以上が理想)
すべての項目をクリアで財務は健全と見て良さそうだ。
分析
粗利益率など
2021年3月期第1四半期決算短信より(単位:千円)
売上高:4,226,778
売上原価:2,367,729
原価率は56.0%なので、粗利益率は44.0%と悪くはない。
販売費及び一般管理費:849,026
販売費及び一般管理費は売上高に関して、19.2%ほどと低め。
販売費及び一般管理費が低いため、売上高営業利益率は23.9%と高水準になった。
成長性
近3年の売上高成長率とEPSの成長率は
2018/3月 連結:26.3%(売上高成長率) 37.9%(EPSの成長率)
2019/3月 連結:35.2%(売上高成長率) 43.5%(EPSの成長率)
2020/3月 連結:27.6%(売上高成長率) 51.5%(EPSの成長率)
近3年のEPSの成長率は右肩上がりで、売上も20%を超えている。
来季の予想は控えめな予想だが、2020/3と同水準の業績を期待したい。
収益性
ROE:33.08%
ROA:19.06%
とも高水準で営業利益率も高い。
割安か
※2020/8/18時点 独自で計算した数値
時価総額:416億円
PSR : 2.26倍
予想PER : 19.2倍
PEGレシオ:0.46倍
独自計算によるもので、会社の予想業績よりもいい場合で計算している。
PSR、PEGレシオともに割安と言える。
目標株価
PEGレシオは1倍以下なら割安と言われるので、PEGレシオが1倍のときの株価を目標株価とする。
目標株価:7755円
株式分割を発表しているので9月から
目標株価:3877円
ストック収益
連結の営業利益の内訳を見ると、2020年は98.4%がストック収益であることが分かる。
安定した収益が見込めることに加え、コロナによる影響でコスト削減に関する事業は追い風と考える。
特にエネルギーコストソリューションの需要は拡大すると思われる。
更に、蓄電池の需要の拡大も見込まれるので今後の成長に期待が持てるだろう。
解約率の低さ
小売電力事業の強みは月平均解約率が低いことである。
月平均解約率実績:0.4%
非常に解約率が低く、安定した収益構造ができている。
さらに、他の電力会社からの当社への乗り換え率は73%と非常に高く、今後の顧客増加が見込め、他社との差別化をできている。
トレンド性
コロナの影響で、コストソリューション事業は追い風に思えるが、事業内容が地味であるために株価が急騰することはなさそう。
しかし、チャートは上昇トレンドを継続しており、業績の成長に合わせて株価も上昇しそう。
注意点は株式分割を発表しており、9月以降は一時的に株価は下落すると思われる。
チャートが上昇トレンドを保てるかどうかに注目しておく必要がある。
コメント
以上が現在の投資先であるグリムスの分析です。
電力小売の完全自由化やコロナはこの業界にとって追い風になったと思います。
それは業績を見れば明らかですので、業績に合わせて株価も上げていくことを期待しています。
最後まで読んでいただきありがとうございます。
少しでも参考になったら嬉しいです。
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